乳酸菌の種類を見ていると、〝菌〟と〝株〟の二種類があることが分かります。この二種類の違いは何でしょうか?実は両方菌であることには変わりませんが、大きなくくりとしての〝菌〟、さらにこまかく分類したものを〝株〟と呼んでいるのです。〝株〟の名前はその株を発見した人が自由に命名できることになっているため、〝××株〟の××の部分には研究者や研究所の固有の名前などがつけられている場合もあるようです。

乳酸菌の代表『株』!

シロタ株

ヤクルトの創業者であり医学博士の代田稔氏が発見した乳酸菌。

ヤクルト創業者 代田稔 博士
ヤクルト創業者 代田稔 博士 画像参照:ヤクルト
シロタ株L.カゼイ YIT9029ヤクルト
画像参照:ヤクルト

正式名称とカゼイ・シロタ株と呼び、胃酸に強いことが特徴で、確実に腸まで届く乳酸菌としてヤクルトなどの企業によって製品化され、日本では最もポピュラーと言える乳酸菌のひとつ。

シロタ株の効用としては抗アレルギー作用や免疫力の向上などがあります。








EC-12株

この乳酸菌は殺菌された乳酸菌で、〝死菌体〟とよばれるものです。

EC-12株コンビ
画像参照:コンビ
実は乳酸菌は死んでいる状態で体内に入っても、免疫細胞の糧となる多糖体などの生成の原料となるため、効果があることが研究で明らかになっています。 死菌体によって乳酸菌を摂取するメリットは、〝凝縮できる〟ということ。同じ量を摂ってもより多くの菌体を取り込めるため、効果が高いといえます。EC-12株はとくに免疫細胞を活性化する効果が高いと考えられています。

LGG株

LGG株タカナシ
画像参照:タカナシ乳業

〝腸まで届きやすい乳酸菌〟の研究をしていたアメリカ人の研究者達によって発見された乳酸菌の一つで、もともと人の体内に生息している菌のひとつです。胃酸に強い特徴があるため、死滅せずに腸まで到達できるという利点があります。研究では体脂肪をへらす効果なども報告されているほか、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギーを抑制するなどの効果も報告されています。

ロイテリ菌

ロイテリ菌には、プロテクティス株とプロデンティス株の2種類があります。

ロイテリ菌バイオガイア
画像参照:バイオガイア

プロテクティス株は、腸内フローラの適正バランスを維持し、ピロリ菌や悪玉菌の増殖を防いで体の免疫力を高めます。

プロデンティス株は、口腔内のフローラの適正バランスを維持し、ピロリ菌の他、歯周病、虫歯、歯肉炎などを予防する免疫力を高めます。

これらロイテリ菌株は、あらゆる厳しい環境下に生きる大変健康な母親の母乳から採取、培養された乳酸菌です。
このロイテリ菌を摂取した赤ちゃんは、夜泣き時間が通常の赤ちゃんの1/4に短縮されたという驚きの研究結果があります。母乳には赤ちゃんを病気からまもるための抗菌効果の高い成分が多く含まれており、このロイテリ菌もそのひとつだと言えます。口内と腸内の両方で抗菌効果を発揮し、中世脂肪を好んで食べる菌であることからダイエット効果の高い乳酸菌だと言われています。実験ではカロリーの高い食べ物とロイテリ菌を一緒に摂取した場合、ロイテリ菌を摂取しない場合と比べて23%も体重の増加を抑えることができたと報告されています。