放射能被ばくによる免疫力の低下を防ぐ

セシウムによる放射能被ばくによって起こる症状の一つにガンの発症があります。セシウムは目に見えず、被ばくしていても気付かないことが難点で、実際には放射能濃度の高い土地に住んでいなくても放射能汚染された食物などによって内部被ばくする可能性があり、現在の日本ではおそらく全ての人にとって身近な問題といえるでしょう。長崎原爆ドーム

ガン細胞と乳酸菌

実はがん細胞というのは健康な人の体内でも一日に3千個以上生産されていると考えられています。しかしそれがガンとして発症しないのは体内をパトロールする役割をもつNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の働きによるものだと考えられています。このナチュラルキラー細胞は、健康な細胞と病気の細胞(悪いウイルスやガンを患っている細胞を)判別し、悪い細胞を攻撃することによって死滅させることによって病気を防いでいます。乳酸菌はこのNK細胞のエネルギー源である多糖体を生成してNK細胞を活性化する働きがあり、それによって体にとって害のある細胞を処理できる能力がアップし、結果として免疫力がアップすると考えられています。








臨床研究による乳酸菌の効果

がん患者に対して行われるがん治療の一つが放射線照射治療。この放射線治療によって引き起こされるのが消化器官の損傷で、治療を受けた人に多くみられるのが下痢の症状です。イタリアではこの条件に当てはまる患者に対して乳酸菌を摂る人、摂らない人に分けて調査したところ、乳酸菌をとったひとの下痢の発生率は摂らない人にくらべて大幅に低いという結果が出ています。また、乳酸菌によるガン発生抑制効果にもっとも有効と考えられているのが〝死菌体乳酸菌〟。この乳酸菌はそれぞれが腸に保有している乳酸菌のエネルギー源として大きな効果をもたらすことが明らかになっており、それによって腸内の善玉菌を爆発的に増やすことができるのが特徴です。もともと自分の体に住み着いている乳酸菌を大幅に増やすことで免疫力がアップするため、ガン細胞の抑制に効果があるのです。

内部被ばくに乳酸菌が効く?

被ばく者が多くいる東北地方では体内のセシウムを排出する方法の一つとして乳酸菌が注目をあつめています。現時点ではセシウムと最も構造の近いカリウムを使って実験が重ねられており、それによるとラクトバチルス属の乳酸菌がセシウムをもっとも効果的に吸着、排出することが分かっていて、体内に入ってしまったセシウムを除去する方法の一つとしての可能性が期待されています。

セシウムをエネルギーにする乳酸菌?

乳酸菌の種類によってはセシウムそのものをエネルギー源にして繁殖する乳酸菌があると考えられており、現在多くの専門家が研究を急いでいます。この乳酸菌の効果が確実ならば被ばくした人の治療はもちろん、放射能の汚染地域の除染などにも応用することができるため、非常に有意義な発見といえるでしょう。

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